フランスの「Z Event」とは?2026年、Twitchから約59億円を集めた巨大チャリティーイベント
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フランスでは毎年9月になると、インターネット上で大きな話題になるイベントがありました。
その名前は**「Z Event(ゼット・イベント)」**。
日本ではまだあまり知られていませんが、フランスではTwitchやYouTubeを見ている若い世代を中心に、非常に有名なチャリティーイベントです。
そして2026年9月、最後となるZ Eventが開催されました。
最終的に集まった金額は、なんと
32,891,874ユーロ。
日本円にすると、現在の為替レートでは約59億6,000万円です。
わずか数日間のインターネット配信で集められた金額としては、驚くような規模です。
Z Eventって何?
Z Eventは、フランスのストリーマー**ZeratoR(ゼラトール/Adrien Nougaret)**とAlexandre Dacharyによって2016年に始められたチャリティープロジェクトです。
とても簡単に説明すると、
たくさんの配信者がTwitchで長時間ライブ配信をしながら、視聴者から寄付を集めるイベント
です。
ゲームをする人もいれば、雑談をしたり、クイズをしたり、料理をしたり、スポーツをしたりする人もいます。
2026年には、現地とオンラインを合わせて300人を超えるクリエイターが参加しました。約90人がフランス南部のモンペリエに集まり、その他の参加者は自宅などから配信しました。
なぜゲーム配信で寄付が集まるの?
日本の読者にとっては、
「ゲームを配信して、どうして何十億円も集まるの?」
と少し不思議に感じるかもしれません。
Z Eventの面白いところは、単純に「寄付してください」とお願いするだけではないことです。
参加するストリーマーは、それぞれ**Donation Goals(寄付目標)**を用意します。
例えば、
「○○ユーロ集まったら特別な企画をする」
「○○ユーロ達成したら旅行に行く」
「特別なゲームに挑戦する」
といった目標です。
視聴者は配信を楽しみながら寄付をし、目標が達成されると新しい企画が始まります。
そのため、チャリティーでありながら、巨大なインターネットのお祭りのような雰囲気があります。
2026年は史上最大のZ Eventに
2026年のZ Eventは特別なものでした。
なぜなら、10年間続いたZ Eventの最後の開催だったからです。
イベントは9月3日のオープニングコンサートから始まり、9月4日から6日にかけて50時間以上のライブ配信が行われました。
そして最終的な寄付金額は、
32,891,874 €
過去最高記録です。
2025年も1,600万ユーロ以上という大きな記録を作っていましたが、2026年はそれを大きく上回りました。
約59億円という金額
32,891,874ユーロと言われても、日本では少しイメージしにくいかもしれません。
2026年9月初めの為替では1ユーロがおよそ181円前後なので、日本円にすると約59億円になります。
しかもこれは、大企業が単独で出した寄付ではありません。
多くの一般視聴者が、
5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ……
というように少しずつ寄付し、それが積み重なった結果です。
この点がZ Eventの大きな特徴です。
集まったお金はどこへ行く?
2026年は最後の開催ということで、これまでZ Eventが支援してきた団体が再び集まりました。
例えば、
Médecins Sans Frontières(国境なき医師団)
Croix-Rouge française(フランス赤十字)
Action contre la Faim(飢餓対策活動)
Amnesty International
WWF France
Ligue contre le cancer(フランス対がん連盟)
などです。
2026年の寄付金は**Fondation de France(フランス財団)**を通じて、これまでZ Eventが支援してきた22の団体へ分配されます。
つまりZ Eventは単なる「人気配信者のお祭り」ではなく、実際の社会活動へ大きな資金を届けるイベントでもあります。
小さなイベントから約59億円へ
Z Eventの歴史も興味深いものです。
2016年、第1回のイベントで集まった金額は約17万ユーロでした。
当時参加していたのは十数人のストリーマーです。
それが10年後には300人以上が参加し、一度のイベントで3,000万ユーロを超えるまでに成長しました。
ゲーム配信という当時まだ新しかった文化が、巨大なチャリティー運動へ成長したわけです。
フランスでは「ストリーマー」が大きな文化になっている
Z Eventを見ると、現在のフランスにおけるインターネット文化もよく分かります。
10年前のTwitchといえば、ほとんどがゲーム配信でした。
しかし現在はゲームだけではありません。
スポーツ、音楽、料理、旅行、トーク番組、クイズ、イベントなど、非常に幅広いコンテンツがあります。
Z Eventにもゲーム専門のストリーマーだけでなく、YouTuber、音楽家、タレントなどさまざまなクリエイターが参加しました。
日本で「YouTuber」という言葉が一般的になったように、フランスでも**streamer(ストリーマー)**は若い世代にとって身近な存在になっています。
2026年でZ Eventは終了
2026年の開催は、Z Eventの最後の開催として発表されていました。
2016年から約10年間。
最初は友人たちが集まって始めた小さなチャリティー企画でした。
それが最終的には、フランスを代表するインターネットイベントの一つになりました。
そして最後の記録は、
32,891,874ユーロ。
約59億円という、とても大きな数字になりました。
10年間を通じてZ Eventが集めた寄付金は、2026年の最終開催を加えると累計9,000万ユーロ以上になります。
Z Eventから見える現代のフランス
日本でフランスについて考えると、
パリ、料理、ワイン、ファッション、美術、歴史……
といったイメージが強いかもしれません。
でも、もちろん現代のフランスにはインターネットを中心とした独自の若者文化もあります。
Z Eventはその代表的な例の一つです。
ゲームやライブ配信という娯楽と、社会貢献を組み合わせる。
そして数十万人の人が同時に参加する。
Z Eventは、現代のフランスのインターネット文化を知るうえでも、とても面白いイベントだったと言えるでしょう。
Z Eventは、現代のフランスのインターネット文化を知るうえでも、とても面白いイベントだったと言えるでしょう。